フラッと入った大船駅前の飲食店がどこも美味かったから、大船地域に引っ越すことを決めた。
と、この記事で書きました。
この投稿には、『そらめーど』開始前に一般家庭電源で撮影した画像が含まれていますが、RAW現像と執筆は太陽光の自家発電電力で制作しております。 これから私たち夫婦が新宿区から鎌倉に移住したいきさつを書きます。「どんな人[…]
この投稿でご紹介するのは、大船駅前商店街の端のほう。
大船市場の隣にあるポルトガル料理の『メルカド』さんです。

日本とポルトガル
皆さんご存じの通り、ポルトガルと日本の繋がりは古く、ポルトガル人が日本に到来したのは室町時代にまで遡るそうです。
ポルトガルは大航海時代の覇権国の一角を占めていましたからね。
外務省のWEBサイトには「ポルトガルはヨーロッパの中でも最も長い友好の歴史を持つ国の1つであり,2010年は日本とポルトガルの修好通商条約締結150周年です」と書かれています。
『わかる!国際情勢』は、海外事情や国際事情、外交課題などをわかりやすく解説するコーナーです。…
2020年が160周年だったんですね。(そりゃそうだ)
それだけに日本語として親しまれているポルトガルの単語も多く、「カステラ」なんかはポルトガル語由来と知られていますが、こちらのWEBサイト(『ぶら~りブラジルさん』)にたくさん紹介されています。
パン、コップ、ボタン、ブランコ、おんぶ。私たちが何気なく使っているこうした言葉は、いずれもポルトガル語由来です。この記事…
「キリシタン」はそりゃそうよね、という感じだけど、「バッテラ」や「おんぶ」までポルトガル語だったとは。
ポルトガル料理
ポルトガル語由来の「カボチャ」や「金平糖」(そして「天ぷら」も)などは我々も親しみがあるのですが、「ポルトガル料理」ってあまりピンと来ない人が多いではないでしょうか?
私も都内に25年住んでいましたが、「ポルトガル料理」の専門店を近所で見かけたことはないですし、ワイン好きの私が通う酒屋でもポルトガルワインを目にしたことはほとんどありませんでした。ポートワインやマディラなどの酒精強化ワインは有名ですけどね。
ちなみにポルトガルはワインの生産量では世界第11位で、一人当たりの年間ワイン消費量は世界一だそうです。(出典『Discovery Madeira Wine&Portugal』)
ポルトガルは、面積が日本の約4分の1、人口は日本の約10分の1ほどの小さな国です。しかし、ワインの生産量は世界10位と高…
私は2019年の暮れにリスボンへ撮影に行ったことがあるのですが、現地の友人に案内してもらった地元の食堂で食べる料理は、どれも初めて見るものばかりでした。そしてめちゃくちゃに美味かった・・・!!!
その際に撮影した動画がこちら。(太陽光発電の電気は使用していません!)
この旅では自由時間がほぼゼロで、動画用の機材しか持っていかなかった上に、懐刀として持っていったSONY RX100M5を街中のどこかに置き忘れてしまったので、ほとんど写真がありません(涙
私のInstagramに少しだけアップしています。
引っ越して初の飲食店訪問
地方ロケが重なる多忙な中に引っ越しを強行したため、荷物は新居に運び込んだけど開梱する気力も体力も残っておらず。
仕事をしながら少しずつ段ボールを片付けながらの新居暮らしでは、自炊ができるまで1週間以上掛かってしまいました。
そんな引っ越し初日に見つけたのが、お友達のこのInstagramの投稿。
「超旨そう」
「ポルトガルで食ったご飯は何から何まで旨かった」
「この店も絶対に旨いに決まってる」
という理論的に成立していないロジックを藁にもすがる気持ちで信じ、晩ご飯を予約しました。
やっぱり旨かった
店内は品の良い雰囲気で、欧州の食堂よろしくテーブルは狭め。
メニューを見ながらホールのお姉さんに色々と質問をすると、豊富な情報量とポルトガルへの溢れる愛で丁寧に説明してくれました。
ワインは全てポルトガル産。それだけでも珍しいというか店主の愛を感じるのに、グリーンワインまで置いてある。


食べる前の時点で飯も酒も旨いことが確定しました。
まずは何はなくともイワシの塩焼き。
あれ、イワシの塩焼きって日本の食卓でもポピュラーな料理なのに、なんでこんなに美味しいの?

メニュー数は多くないけど、バカリャウだけで3種もある。
まずはポルトガル人のソウルフード「Bacalhau à Brás(バカリャウ・ア・ブラス)」。と思ったけどメニューにない。ホールのお姉さんに尋ねたところ、以前はあったけど「ちょっと趣向を変えたくて(筆者意訳)」別のバカリャウメニューになっていた。けど、気前よくバカリャウ・ア・ブラスをつくって出してくれました。最高。
ちなみに「バカリャウ」は干した鱈のことです。
凝縮された旨味。でも粗野に旨味が強調されておらず、バランスが破綻していない。つまり品が良い。
このお店も私たちの大船のイメージを体現している。


他にもサラダやソーセージなどもいただきましたが、どれも初めて食べる味でありながら、何となく懐かしくて、それでいてしっかりと旨味が隠れている。押しが強くないのに、味はしっかりとしていてバランスが超絶妙。
「ポルトガル料理を日本人向けにアレンジした」なんて簡単にカテゴライズできない美味しさ。
レシピがどうこうというより、もうこれはシェフの味のセンスが生まれつき卓越しているのでしょう。
ちなみにここのシェフは元々料理とは異なる業種でお仕事をされていたそうです。
やはりセンスなんですね。




ここで食べていつも感心するのは、「食べ終わったお皿にドレッシングや油が残っていることがほとんどない」ということ。だから味付けがちょうど良いと感じるのかも。



ところで「メルカド – Mercado」はポルトガル語で「Market」。つまり市場。
『大船市場』の隣にあるポルトガルの市場。
溌剌とした料理を市場のようにアレコレと気軽に選んで食べられる大船のポルトガル。
引っ越して3週間で4回もお店に通いました。
これからも定期的に通うことを決めているお店です。
本記事を制作するために使った機材(全て鎌倉の太陽光100%で充電)
写真:GR III
現像・執筆:MacBook Pro(M1 Pro) 14″