華麗なるカリー・アントワネット宣言を採択してから3ヶ月。
引っ越しも落ち着き、ようやくスパイスカレー作りに取り掛かりました。
これは全く調理ができない50代おっさんがスパイスカレー作りに取り組む記録です。
飲食店のレベルの高さ、というか自分に合っているところが気に入って鎌倉市の大船地域に引っ越してきましたが。[sitecard subtitle=関連記事 url=https://solar-made-films.com/2022/03/17/[…]
なお、この投稿で「カレーの本」とか「レシピ本」など「本」と記述している場合は水野仁輔さんの『スパイスカレーを作る-自分好みのカレーが作れるメソッド&テクニック』のことを指しております。
本記事で挑戦するのはレシピ本の52P「メソッドで作るチキンカレー〜スタンダードモード徹底解説」のチキンカレーです。
この「スタンダードモード」で使用する材料は以下の通りですが、手元にスパイスをはじめとした材料を全て揃えるのは不可能なため、色々と手抜きやアレンジをしております。
○材料 4人分(分量は割愛します)
植物油
【はじめのスパイス】
ブラウンマスターシード・クミンシード・フェンネルシードにんにく・しょうが・タマネギ・ホールトマト
【中心のスパイス】
ターメリックパウダー・レッドチリパウダー・パプリカパウダー・コリアンダーパウダー塩・鶏がらスープ・鶏もも肉
【仕上げのスパイス】
ガラムマサラ
本記事を制作するために使った機材(全て鎌倉の太陽光100%で充電)
写真:GR III, GRIIIx
現像・執筆:MacBook Pro(M1 Pro) 14″
2022年3月26日 1回目

いよいよ初のスパイスカレー作りに取り掛かる。
私は全く調理の経験が無いため、初回だけは初めから最後まで妻に監修をしてもらった。
まず、大さじと小さじはあるのに「中さじ」がないことを知るところから。
本に掲載されている全ての単語と指示がわからないので、いちいち事細かに質問をして、できるだけレシピ本の通りに制作した。
次回からはひとりでできるはず。

「できるだけレシピ本の通りに」と書いたものの、いくつかアレンジをした。
・はじめのスパイス
本ではブラウンマスターシード、クミンシード、フェンネルシードを油で炒めることになっていたが、手元にクミンシードしかなかったのでそれだけとした。
・トマトを煮詰めてスパイスを加えた後に入れるスープ
本では鶏ガラからスープを取ることになっていたが、「そんなことやってられるか」という妻の判断により自宅にあった粉末の出汁で代用。
・仕上げの香り
本では7種のスパイスを乾煎りしてミルサーで挽いてガラムマサラを作ることになっていたが、大船駅前商店街の『zafran』で買ったシナモン、グリーンカルダモン、クローブ、ベイリーフと、別途調達したクミンシードとブラックペッパーを加えてチキンと共に煮詰めた。

部屋中にスパイスカレー店の匂いが充満して嬉しくなる。
鍋の中では、実にカレーらしい物体がスパイスの香りを乗せた湯気を立てている。
総合的に判断してこれはスパイスカレーだ。
「自分でスパイスカレーを作った!」という達成感が満ちてくる。

早速食べた。
感想を簡単にまとめると「スパイスカレーの味はするけど、なんかちょっと違う」。という感じ。
都内のスパイスカレーの名店を巡りながら、極上のスパイスカレーを血が黄色くなるほど食べまくったせいで、舌が肥えすぎているのかもしれない。
「なんかちょっと違う」のは、味がぼんやりとしているというか、雑然としているというか。
でも「初めて作った割にはまぁええんとちゃう」と考えることとする。
その後YouTubeで色んな方のスパイスカレーの作り方を観てみたが、人によって作り方が全然違うのね。皆さん(家庭向けのメソッドを提供しているせいか)もっとシンプルに作っておられる。
次回はもっと工程を減らして、とてもシンプルなチキンカレーを作ってみることにした。そこから、何を足したらどう味が変わるのかをわかるようになっていきたい。
2022年3月30日 2回目
初回を振り返りつつ、いくつかYouTubeでスパイスカレーのレシピ動画を観て改善と省力化を図ることを目指して2度目の制作に臨んだ。

鶏肉はモモ肉から胸肉へと変更した。
脂身の臭みを取るために事前にフライパンで焼き目を付ける等の作業を低減しつつ、ダイエットにもええんとちゃう。ということで。
結果的には工数がかなり減り、鶏肉を炒めるためのフライパンの洗浄も不要となったが、旨味もかなり低減された。いわゆるパサパサな感じで。

某YouTuber氏のレシピを取り入れて、ニンニク生姜を入れる前の「はじめのスパイス」としてグリーンカルダモンとクローブをクミンシードと共に炒めた。
前回は鶏肉を煮込んだ後の「仕上げ」として入れていた。
炒めている時の香りは明らかに変わる。

タマネギは前回はスライス状からみじん切りへと変更。

前回はこの工程でタマネギを焦がしてしまったので、YouTuberが提案していた「水を加えて焦がさないようにコントロールする」を取り入れた。
焦がさずにキツネ色にすることができた。

玉ねぎを炒めながら、グリーンカルダモンとクローブを取り除く。
完成したカレーを食べたけど、「はじめのスパイス」としてこの2つを加えた効果はあまりわからなかった。やはり直前に加えてフレッシュな香りを楽しんだ方が良いのかもしれない。

トマトを煮詰めてスパイスを加えた後に、(本では)鶏ガラスープを加えるところをただの水を加え、ひと煮立ちしたら胸肉を生のまま放り込んで10分煮た。
この過程でチキンの旨味がスープに溶け出してくれるはず。という算段だった。

完成。
食べた感想は「スパイスカレーの味はするけど、なんかちょっと違う」という前回と変わらず。味は前回とはだいぶ変わったんですけどね。
反省点としては、トマトの酸味がまだ残っていたこと。
これもYouTuber氏から学んだのだが、トマトは175℃を超えると酸味成分が旨味成分へと変性するらしく、トマトを煮込む過程で油を加えると良いとのこと。
これをすっかり忘れていた。
鶏肉がパサパサなのは嫌いじゃないので引き続き胸肉で挑戦しようと思う。が、鶏肉を放り込む前に加える水には、何かしら旨味の素を加えた方が良いかもしれない。
スパイスに関しては、「はじめのスパイス」はクミンシードだけか、フェンネルシード辺りを加えるとわかりやすく旨くなる気がする。
グリーンカルダモンとクローブは鶏肉を煮詰める際に加えることとしよう。
2022年4月3日 3回目
・チキンを冷凍パックにどっさりと入ったモモ肉に変更
・一番最初にモモ肉をフライパンで炒めた
・そのフライパンと油をそのまま利用してカレー制作へ
・はじめのスパイスはクミンシードのみ
・タマネギを炒める際に脱水を促すため塩を追加し、水を差しながら焦がさずキツネ色になるまで粘る
・トマトを炒める際に少し油を追加し、水分と酸味をできるだけ飛ばす
・スパイスにはレシピのパプリカパウダーの代わりにコリアンダーを小さじ1杯追加(今まではパプリカ分のスパイスが欠けたままだった)
・スパイスを投入した後に入れるスープに、初回と同じ顆粒の出汁を投入
・仕上げのスパイスは初回と同じ

結果的に、この3回の制作の中で一番美味しい仕上がりとなった。
ただちょっと塩辛い。
次回はスープに混ぜた出汁の素を少し減らそう。

2022年4月10日 4回目
【はじめのスパイス】としてマスターシードを、冒頭に引用した記事で紹介したZafranで調達。

前回の反省から顆粒の出汁の素を少し減らした。
前回はまだトマトの酸味が残っていたので、トマトを煮詰める際に油を足してできるだけ煮詰めたが、そのせいか【中心のスパイス】を投入した途端にパッサパサになってしまい、混ぜるのにも苦労した。何が正しいのかまだわからない。

この日は天気が良かったので庭にテーブルを出して食べた。

外で食べたらなんでも美味しく感じちゃうよね〜
ということもあるけど、それでも今までで一番美味しくできた。
マスターシードを入れた効果はあまりわからなかったが、粒をプチッと噛んだときに爽やかな香りが広がった。
まだ味の仕上がりにバラツキがあるけど、基本的なスパイスカレーの作り方は何となくわかってきたので、「スタンダードモード」のレシピの投稿はひとまず終了しよう。
次は「こってりモード」か「こっくりモード」にチャレンジした際にまた記録として投稿したいと思います。