都内の小さなマンションから鎌倉の古い一戸建てへと引っ越すにあたって、色々なものを買い足す必要がありました。
引っ越すことで家の居住面積が3倍以上にも大きくなる上に、都内のマンションは各種収納スペースや冷蔵庫を含むシステムキッチンなどがビルトインで備わっていたので、鎌倉へ引っ越す前に必要なものをあれやこれやと想像するだけで長いリストができてしまいました。(もちろん居住後にはもっと足りないものが、次から次へと出て来たのですが)
その中でも、1月末に鎌倉へ引っ越すことを決めた私たちが真っ先に買うことを決めたのがコロナの石油ストーブだったのです。
結論から言うと、この石油ストーブがなければここの寒い冬は乗り切れませんでした。
「ここ=鎌倉」というわけではなく、「山を背負った立地にある古い一戸建て」ということです。

古い一戸建ての家は寒い
転居を決めた鎌倉の家は、1階だけで5部屋、2階に1部屋+納戸があるのに、エアコンが設置されているのが3部屋のみ。残りの部屋に暖房が必要です。
大阪府のディープサウスエリアにある私の実家は築40年の一戸建てだったので、断熱や気密性に優れた近代的なマンションから冬に帰省するたびに「やっぱ一戸建ては寒いわぁ」と震えていました。
しかし鎌倉の家は大阪の実家より14歳も年上なので、「こりゃぁ本格的に暖めないと凍えるぞ」と怯え、ヤワな電熱ヒーターではなく石油ストーブを買うことにしたのです。(もちろん事前に大家さんの承諾は得ました)
ちなみに鎌倉の気温は天気予報の数値では都内とあまり変わりませんが、我が家が鎌倉の山側、しかも山の中腹に位置しているせいか、風が強くて体感では都内より寒く感じています。たぶん鎌倉の海側も潮風で寒いと思いますけどね。
まぁ寒さ暑さより、鎌倉の「湿気」の方が大問題ですがこれはまた別の投稿で。

ファンヒーターではなくストーブを選んだ理由
安全性や燃費で選ぶと石油ファンヒーターになりますよね。
なのにナゼわざわざ石油ストーブを選んだのか。
一番大きな理由は「災害時に頼りになるから」です。
たとえ停電が発生したとしても、石油ストーブは消費電力0Wですからね。
つい先日も東北の地震の影響で関東地方も電力が逼迫し、TEPCOと経済産業省から電力逼迫による節電要請のお知らせがあり、それに伴って計画停電の可能性が示唆されましたが、「うちには石油ストーブがあるから何とかなるだろう」と心に少し余裕がありました。
3月16日(水曜日)の福島県沖の地震の影響により、東北、東京エリアの火力発電所が一部停止している中で、連休明けの明日22…
でも実際の災害時では、自宅に灯油の備蓄が豊富にあることが大前提でしょうね。みんなが一斉に灯油を買い求めたら入手困難になるでしょうし。
次の理由は「キャンプに持っていける」です。
が、実際に使用してみると「こんな大きいもんをクルマに積んでいく気にはならん」のですけど。
まぁこれは選んだ石油ストーブが大きすぎるから。
数年前から妻がキャンプ、というかキャンプ道具に興味を示しており、「小さくて軽い道具を買ってはキャンプ場で試す」ことを楽しんでいまして。
その一環でかねてから石油ストーブを検討していたそうで、妻の中では買うならコロナのこのストーブ一択でした。理由は「デザイン」と「パワー」とのこと。
コロナの石油ストーブを使って感じたこと
パワーがすごい
オフィシャルが「木造17畳 コンクリート造23畳まで」と謳っているパワーはダテじゃなかった。「暖房出力 6.59kW」だもんね。
点火してからマックスパワーになるまでは数分かかりますが、ひとたびマックスパワーになるとそれはもうゴウゴウと熱を発して部屋を暖め続けてくれます。いや、部屋だけじゃなくて柱とか天井裏とか床下まで暖まっていそうな勢い。
このストーブに灯が点っていると、熱の圧力がすごいんです。エンジンにたとえると図太いトルクというか、タンカーのエンジンのような底力というか。ライブハウスのどでかい音が「聞こえる」だけじゃなくて「服が震える」というか。
もうええか。
とにかく気温を上げる以上の熱波を感じるんですよ。
石油ストーブの「熱効率100%」をカラダいっぱいに体感できます。
引っ越し後はカビ臭かった我が家も(「湿気」のことはまた別記事で・・)、石油ストーブを運用し始めてから数日でカビ臭さは感じなくなりました。
お湯が沸かせる
そらそうでしょ。
という感じですが、ストーブの上にヤカンを置いているとお湯がどんどん沸きます。おかげでお茶のヘビードリンカーになりました。
灯油には水分が含まれているので、燃焼時に水分も出します。
これにヤカンの水蒸気も加わると冬の乾燥も心配なし。
鎌倉ではそんなに水分を出してもらわなくて良いんだけどね(湿気凄すぎ問題)。

炎を眺めていると落ち着く
波と炎を眺めていると、時間が経つのを忘れます。
キャンプ場で焚き火を始めると、火を起こして薪をくべて炎を眺めているうちにあっという間に夜になる。

そういえば一昔前に「1/fゆらぎ」っていう言葉が大流行したことがあったな。
燃費が悪い
これは「パワーがすごい」と表裏一体なことなんですけど。
とにかく彼はいつも全力投球でフルスイングなんですよ。
将棋の駒なら「香車」というか、ゆっくり走れないレーシングカーというか。
炎の大きさはある程度調節はできますが、一定以上(たぶん上の写真より)炎を小さくすると不完全燃焼で一酸化炭素を発生し始めますので。
みぞれが降るような極寒の日には頼もしい限りのパワーですが、春が近づき少し暖かくなっても「ワシはやったるでぇ」と鼻息も荒く全力投球を続けますから。
暑い。
これがファンヒーターと違うところ。
本体に7リットル近く灯油が入りますが、点火し続けると丸一日は持ちません。(カタログスペックは11時間)
この燃費の悪さは昨今の原油高で気になるところではあります。
重い
本体重量が約11Kgで、灯油を満タンにすると約18Kg。
まぁある程度は重い方が転倒の心配が無くて安心ですけどね。
でもこのストーブを持って部屋を移動するのはわりと大変。
こいつをクルマに積んでキャンプに行くなんてちょっと考えられないわぁ。
石油ファンヒーターも買った
冒頭にも書いたとおり我が家にはエアコンのない部屋が3部屋あり、私が仕事部屋としている6畳間にもエアコンがありません。
しかし、オールウェイズ17畳の空間をフルスイングで暖め続けるコロナ君をこの部屋に置いたら、私も撮影機材も熱でダメになってしまうので石油ファンヒーターを導入しました。

機種にコダワリはなかったので、Amazonで買えて一番安くて翌日届くものから選択。
私が購入した製品は既にAmazonでの取り扱いが終了していたので、型番が1つ違いのものです。(たぶん後継機種)
コロナ君と比べてるわけじゃないんですけどね、石油ファンヒーターは・・・賢いです。部屋の温度が上がると燃焼を絞ってくれる。だから燃費も良い。
電源を付けっぱなしでも3時間経ったら「続ける?」と聞いてくれるし、無視しておけば勝手に止まる。安全。
8畳のリビングにはエアコンも付いていますが、石油ファンヒーターの方がパワフルに暖めてくれるので、この部屋で食事をする際にはエアコンではなくこの石油ファンヒーターを仕事部屋から移動して稼働させています。
軽いので移動も楽ちん。
買って良かったです。
でも「どっちが好きか?」と聞かれたら、迷わずコロナ君と答えますけどね。
愛嬌って大事。
灯油の運用
石油ファンヒーターを稼働させていると灯油が減ります。(当たり前)
なので家に灯油缶を常備しておく必要があるんですが(外に置いとくのも不用心だし)、やっぱり家の中に灯油缶があると灯油の臭いがする。
なのでこのストッカーに灯油缶を入れています。

この容器にフタが付いているおかげでほとんど灯油の臭いはしませんよ。
灯油をストーブに注入するためのポンプはこれ。

手動でポンプを押すタイプ。
電動ではないので、満タン時に自動でストップしてくれるわけではありません。
暗いと液面が見えないので、ノズルの近くに小型のLEDライトを付けると良いかもしれない。

我が家では20リットル缶×2つで運用していますが、約一週間でちょうど2缶ぶんの灯油を使い切る感じです。
使い切ったら灯油を買わねばならない。
我が家の周辺では灯油販売車が週に2〜3回ほど音楽を鳴らしながら巡回してくれます。玄関先に空の灯油缶を置いておくと、灯油販売車のおじさんが満タンにしてくれ、ピンポンと鳴らして呼んでくれたら外に出て支払うシステム。
ご近所さんで灯油缶に現金が入ったタグを放置している家もあるけど、現金も灯油も外に放置しておくのは不安じゃないのかな。この辺りは治安が良いんですかね。
はじめのうちは灯油販売車から灯油を買っていましたが、ガソリンスタンドよりちょっと高い。18リットルで200円前後ほど。
なので今では(面倒だけど)クルマに灯油缶を2つ積んで、ガソリンスタンドまで灯油を買いに行っています。
3月下旬にガソリンスタンドで灯油を入れながら「今季はこれで最後かな」と考えていたものの、三寒四温とはよく言ったもので。
4月中旬でもまだ朝の気温が10℃以下になる日も続くので、4月になっても灯油を1缶買いに行きましたよ。
まぁたとえ灯油が余ったとしても、石油ファンヒーターで洗濯物を乾かせば良いしね。(湿気凄すぎ問題)
本記事を制作するために使った機材(全て鎌倉の太陽光100%で充電)
写真:GR III, GR IIIx
現像:モノクロ写真はGR IIIのカメラ内RAW現像でそれ以外はMacBook Pro(M1 Pro) 14″
執筆:MacBook Pro(M1 Pro) 14″